2011年12月17日(土)午後3時から、ティダノワ主催 第1回ゆんたく会が開催されました。
産業医の森先生をはじめ、ハルサーの片岡さん、緑のシーサー、南部放射能から子供を守る会代表の龍野愛さん、いわき市より自主避難された今野ご夫妻とゲスト盛りだくさんの濃い内容でした。
まず最初に産業医で元放射線科医の森先生から医療の現場の観点からの内部被曝の実状をお話しいただきました。
森先生は医療従事者でありながら、やんばる共生プロジェクトで農業を応援する活動もされています。
今の医療現場は医薬品企業などをはじめとする、すべてが原子力カムラと全く同じで、経済主導となっているということから入っていただき、現状首都圏含め東日本において多くの健康障害が出てきているとのこと。
そして、経済主導である以上、内部被曝を相談する医師が皆無状態であり、受診したときに放射能という言葉を出しただけで鼻であしらわれてたり、考えすぎだと受け入れてもらえない状態が現状であるということでした。
今報告を受けている症状は長引く下痢、血球数の低下、既に白血病患者も出てきている。腎障害も多く報告されている。
鼻血など様々な症状が報告される中で、不安を抱える方が受診を受けられる際のアドバイスとして
内部被曝や、放射能という言葉を使わずに、下痢が続いているから、免疫力が下がっていると思うので血液検査をして欲しいとか、
むくみが多いから尿検査をして欲しいと行ってくださいとのこと。
医療費というのは3分の1が患者負担になっており、残りの金額は医師が厚生労働省にレセプトを提出し許可された物だけが
入金されるという構図になっています。
そこには色々ルールがあって、病名を入力する項目がないと受給できないなどというものがあるそうです。
そしてその病名、症状の中に内部被曝という項目は存在しないということ。
これを知った上で、受診された方がいいとのことでした。
また、最近避難された方で,内部被曝についてご心配の方は
首里協同クリニックの
伊集Dr.にご相談くださいとのことです。矢ヶ崎教授もご紹介していました。
http://ishakoko.jp/631498
またDr.は週に2回の診察となりますので、必ず電話でご確認してお越し下さい。
次に、今帰仁村のハルサー(農家)の片岡さんのお話。
最近ニュースで話題になった名護市長が学校給食における放射性物質の独自基準を設定し検査していくという件は、
記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。
片岡さんは地元で食の安心、安全の為の勉強会を開かれています。
放射能に関しては農家としても米ぬかの安全性が見えない中で、どうやって対応していくべきかを常に考えていらっしゃいます。
現在、放射性物質を測る方法はありません。琉球大で測れる物はセシウムのみで、現在日本各地で検出されている、
ストロンチウムやプルトニウムなどは検査できません。
危険か安全か全くわからない中で、米ぬかも米も流通しているとのこと。
天栄村の農業法人ではゼラニウムやプルシアンブルー(染料)を使って、セシウムを谷固定し、稲を吸わないようにしていたそうです。
放射性物質については使用については法律があり、しばられますが、ばらまかれてしまったものが肥料や食べ物で人が知らずして拡散させても、取り締まる法律はありませんので、土壌の汚染を防ぐ方法は今の段階ではないということです。
生産者が協力して放射性物質に関する知識をしっかり持ち、確固たる測定をしていかなければ防げない現実となっています。
先日JAでは矢ヶ崎教授が農家の方に放射能に関する講演をされました。やはり、ほとんどの人が対岸の火事という感覚で、
まさか自分の土や肥料、飼料、鶏糞、牛糞、米ぬかなどに影響するとは思いもよらなかったようです。
放し飼いの鶏に自分たちが食べたものを与えて、美味しい卵を生産されている方も、もらい物のたべものだったり、産地を気にせず調理した物を与えて、その中に含まれていれば、どんどん連鎖していきます。
課題が多く残されています。
次に南部の放射能から子供を守る会の代表を務める龍野愛さんと震災を機に沖縄に移住されたご兄弟が設立された緑のシーサーにお話を伺いました。
主に、どのように行政と話をし、地域に密着して活動をしていくかという貴重なお話しを伺いました。
学校給食のこと、流通されている食べ物事ひとつひとつをみんなと勉強しながら方法を見つけていこうという姿勢に、
少しずつ、企業や行政が耳を貸してきてくれるようになってきたということ。
そして、その輪をどんどん広めていきたいということでした。
本当にその通りです。汚染されたお米を流通させるなと反対運動よりも、提案ベースでお互いの方向性を見つけていく方法が一番子供たちの為になると思いますよね。
緑のシーサーさんは放射性物質を計測できる会社を立ち上げようと思ったところ、現実日本ではかれる機会がないということに驚き、
食品を計測する装置が存在しないということで、今琉球大学でチームを組んで、食品用の計測器を開発する活動をされています。
残念なお話しではありますが、
関東をはじめ、多くの自治体が測定器を導入していても、自然放射線も一緒に測ってしまう装置で食品の汚染は測れないということです。
汚染されていないかもしれない食品が汚染されていると出る可能性もありますし、汚染されているのにもかかわらず、空間線量を拾ってしまい意味のない検査となりかねない現実があるということに私も少なからずショックを受けました。
とても時間がかかる研究だとは思いますが、引き続き頑張っていただきたいと思います。
龍野愛さんの活動がまとめられています。
http://refuhiyo.ti-da.net/e3202936.html
緑のシーサー公式HP
http://gsisa.jp/
そして最後のお話は今帰仁でオーガニック用品を扱っている
民商店の民さんがいわき市から読谷村に自主避難された今野夫妻を招いてお話ししてくださいました。
民さんはチェルノブイリの子供たちへの支援活動をされ、実際にチェルノブイリの前にたち、被曝した子供たちと生活した経験から、興味深いお話しをたくさんしていただきました。
まず、今福島由来で汚染されている度合いは,首都圏は4月の段階ではキエフ程度といわれていましたが、
首都圏はチェルノブイリ級の汚染となっているということ。
食材の調達がこれからどんどん困難になっていくということ。
そして、25年前に起きたあの事故から、3年経って後悔した人、5年経って後悔した人、10年経って後悔し始めて気がついた人、子供が生まれて後悔した人、孫が生まれて初めて後悔した人というのが今もまだ続いているということ。
そして、200キロ圏内よりも300キロ〜400キロと遠く離れたところの人ほど内部被曝が進んでいったということでした。
先日、みつばちの羽音と地球の回転の監督鎌仲さんが
大阪のある企業全員の尿検査を行ったところ、全員から尿中にセシウムが検出されたという報告されていました。
汚染された食品流通を防ぐのはとても難しくなってきています。
またチェルノブイリでは医療カルテがすべて没収され、抹殺されてしまったとのことです。
近い将来起こる可能性のあることでしょう。
民さんが薦めること。安全な食べ物の備蓄、こちらでも地震、津波に対する知識と準備が必要との訴えられていました。
また、放射性物質を取り除く効果があるといわれる精油、ホメオパシー、石などを併用して使っていくのもいいでしょうとのことでした。
植物由来のレメディーを使うのも効果的とのことです。
そして、いわき市から移住された今野夫妻のお話へと移り、
被災した当時の話を伺いました。
水も電気もない、マスクもしていない状態で子供を連れて、みんな水を取りに行ったり、食料を取りに行ったりして被曝していったそうです。
今野さんはいわきでやはり母親が立ち上がらないと何も変わらないという思いで、同じ思いの方たちと
いわきアクションママの会という活動をされていたそうですが、状況が収まるどころか汚染が広がりつつある現状をうけ、移住を決断されたとのことでした。
これから自分たちが東日本に向けてできることをしていきたいと強くおっしゃっていました。
そして最後にティダノワ実行委員のUAが
1曲唄を歌ってくれました。
疲れた時には大きな木にとまり
風のうた あなたに歌いましょう
とても眉間にしわが寄ってしまうような事が未だ終結せずに続いていく中で、子供たちと
笑顔を忘れずに生活していくために必要な事を一つずつ、始めていきたいと思います。
子供たちの手を握ってますか?
ちゃんと抱きしめて上げてますか?
声を聞いていきましょう。
きっと子供たちがてぃだのひかりをみつけてくれるはず。
先日那覇で行われた矢ヶ崎教授の勉強会の動画です。